クリケット

---Criket

●概要

 攻撃側と守備側に分かれ、投手が投げ、打者がそのボールを打つ点は、野球に似ています。しかし、野球は原則としてボールを遠くへ飛ばそうとするのに対し、クリケットでは、投手はウィケット(投手と打者に後ろに立っている3本の棒)を倒そうとし、打者はそれを倒されないように守り、そして打ちます。

 得点は打者がボールを打つと同時に、反対側(投手側)のウィケットに向かって走り、野手からの返球で、ウィケットが倒される前に、ウィケット前の打者線を越えれば1点になります。もし、野手からの返球が遅れたら、その間に何回往復してもよく、そのたびに得点が加算されていきます。

 クリケットは、野球に比べて一見地味で、のどかなカントリー風のスポーツに思われていますが、実際は素手で硬球をキャッチする激しい一面も見られ、エキサイティングでスピーディーなゲームでもあります。現在、イギリスでは国技とされ、何百年にもわたって親しまれています。

●競技方法

 ・ 投手は、打者線を前足のかかとが越えて投げてはいけない。また、肘を伸ばして上手投げをする。

 ・ 試合は2イニングで、攻撃側が10人アウトになると攻守を交代する。

 ・ 投手(ボウラー)がウィケットに向かって投げたボールを、打者(バットマン)は360度どの方向に打ってもよい。
  投手は打者の直前でバウンドするように投げる。

・ ストライク、ボールのカウントはなく、打者はアウトになるまで打ち続けることができる。

●歴史

 クリケットの語源は、フランダース語のkrick(棒きれ)か、アングロサクソン語の Cricc-Crycc(支柱)ではないかといわれています。

 イギリスでは13世紀頃から行われていましたが、庶民の娯楽として確立したのは17世紀に入ってからです。18世紀前半には続々とクリケットクラブが誕生し、貴族や富裕階級のあいだで人気が高まりました。

 1744年には記録に残っている最初のルール集がみられ、その後、ルールやバットが改良されました。

 日本では、明治元年以来、在留外国人によって楽しまれたり、紹介されましたが、普及するまでには至りませんでした。


もくじへ