アソシエーション・クロッケー

--- Association croquet

●概要

 アソシエーション・クロッケーは、イギリスで人気の高いゲームです。日本では、“ゲートボール”と混同されやすいですが、どちらかというと“屋外の大きなビリヤー ド”に近いゲームです。マレットでボールを打ち、6つのフープを規定の順路にしたがって通過させ、最後にペグに打ち当てるゲームです。

 自分の打ったボールを、他のボールに当てることをロッケーといいます。ロッケーができたら、2回の追加打が打てます。追加打を有効に活用できれば、オール・ アラウンド・ブレーク(1回の打席で、すべてのフープを通過すること)も可能です。

●用具

 1)マレット(木槌)

 2)ボール ・・・ 直径9.2p、重さ447.3〜461.5g。青、赤、黒、黄の4色。

 3)フープ(通過ゲート) ・・・ 高さ30.5p、内幅9.4〜10.2p。

 4)ペグ(木杭) ・・・ 高さ45.7p。

 5)コーナーフラッグ ・・・ 距離を判断するのに使う。

●歴史

 直径10pほどの木製球を木槌で打つ遊びは、13〜14世紀の南フランスで、パイユマイユと呼ばれておりました。これは、ラングドッグ地方の農民が、羊飼いの使う杖でボールを打ち、柳の枝を曲げてつくった門を通過させる素朴なゲームです。17世紀には、フランスとイタリアの宮廷貴族を中心にポピュラーなゲームとなり、フランスのルイ14世が好んで遊んだことは有名です。

 1861年、エドマンド・ロートレッジが『クロッケーハンドブック』を発行し、イギリスやフランスで大流行し、アイルランド、スコットランドまで波及しました。

 アメリカでは、コネチカット州のノートリッジを中心にし、1870年頃から普及し、1904年のオリンピックのデモンストレーション種目にもなりましたが、その後、急速に人気が衰え、協会も立ち消えとなりました。これにかわり、ローク(Roque)と いうゲームが行われるようになりました。Roque とはCroquetのCとTをとって名付けられ、1916年にはアメリカ・ローク連盟が設立されました。その後、1970年に再びクロッケー協会が活動を開始しています。

 フランスでは、1870年〜1890年にかけて、クロッケーの愛好者は、テニスの愛好者よりも多かったと言われております。

 現在、フランスではデパート、スポーツ用具店などでクロッケーのセットが販売され、イギリス式のクロッケーのように競技化せず、レクリエーション・ゲームとして行われています。


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