ローンボウルズ

--- Lawn bowls

●概要

 ローンボウルズは、芝生の上で、偏心球の合成樹脂のボールを転がして、目的球(ジャック)に近づけることを競うゲームです。ボウルが偏心球であるため、スピードが落ちるにつれて、大きなカーブを描いて停止します。

 このローンボウルズは、グリーンボウルズとも呼ばれており、平らな芝生の上で行うフラットグリーンボウルズと、中央部が15〜30pふくらんだ芝生の上で行う、クラウングリーンボウルズに区分されています。

 欧米では単に“ボウルズ(bowls)”と呼ばれ、野球やテニスなどのボール(ball)とは、はっきり区別されています。

●用具

 1)マット ・・・ 長さ61p、幅35.6p

 2)ジャック(目的球) ・・・ 白色の球形。直径6.27〜6.43p、重さ266.6〜333.3g。

 3)ボウル ・・・ 木製、ゴムまたは合成物質。色は黒または茶。

●歴史

 小さな目的球にボールを近づけ合うボールゲームの歴史は古い。確実な証拠は数少ないのですが、エジプトのファラオ時代に、このようなボールゲームが存在していたといわれています。石棺の中の子どものミイラとともに一対のボールと一個の目的球が認知され、紀元前5,200年と鑑定されています。そして、エジプトからギリシャ、ローマへとこのゲームは伝わっていきました。

 現在のローンボウルズに近いゲームとなったのは、13世紀のイギリスです。当時のスコットランド地方では、“ボウリング・オン・ザ・グリーン”と呼ばれるゲームが盛んに行われていました。このゲームは、芝生の上の小さな目的球に対し、ボールを転がして、近くに到達させることを競いました。陸軍兵士たちが武術の訓練を怠るほどゲームに熱中したことから、1336年に「ローンボウルズ禁止令」が発令されてしまいました。それでも隠れてプレーするものが絶えず、16世紀にはスポーツとして定着しました。

 現在では、オーストラリアとイギリスを中心に、ニュージーランド、カナダ、アメリカ、シンガポール、南アフリカなどの各国で行われ、200万人以上の愛好者がいるといわれています。

 日本においては、イギリスで芝生の研究をしていた林英夫(東京農大OB)が、1963年にゲームの紹介をし、2年後の1965年にオーストラリアのローヤル・ビクトリアル・ボウリング協会の援助と指導で、競技規則書「ローンボウルズ入門」が翻訳されました。

 1966年にいったんは「日本ローンボウルス協会」が国際ボウリング連盟に加盟しましたが、活動が活発に行われていないことから、日本の加盟を取り消しました。しかしその後活動を再開し、1986年に「日本ローンボウルズ連盟」として加盟し、現在に至っています。


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