(1)血管迷走神経反射
立位か座位でおこり、激しい運動、精神的ショック、疲労、疼痛などが誘因となります。
運動中には交感神経が興奮し、心拍数の増加と血圧の上昇がおこりますが、運動を突然中止すると、心臓の働きを抑制する迷走神経が強く働きすぎて徐脈と低血圧がおこるものです。
(2)起立性低血圧
起立姿勢を続けたときや、強い運動後の入浴時に起こります。立位では血液が下半身に貯まるため普通は末梢血管が収縮し、血液が心臓にかえるのですが、その働きが弱くておこるものです。
(3)心臓性失神
不整脈が原因の場合、Adams- Stokes
症候群と呼ばれ、突然死となる危険があります(図1)。体位と関係なくおこり、極端な頻脈あるいは、徐脈のため有効な心拍出量が維持できなくなります。頻脈性のものに心室頻拍や心室細動があります。心室頻拍は心拍数が毎分140〜220で、心室細動に移行することがあります。心室細動は、そのまま死にいたるもので、脈が触れなくなり呼吸が止まります。緊急の心肺蘇生処置が必要です。徐脈性のものには洞停止や房室ブロックなどがあります。洞停止は、心臓のペースメーカーである洞結節から電気刺激が出ない状態で、房室ブロックは、心房から心室への電気の伝導が途絶えた状態です。 |