肘の外側に痛みがあり、手に抵抗を加えて手の甲を持ち上げるようにすると痛みが強くなることから、上腕骨外上顆炎(じょうわんこつがいじょうかえん)と診断できます。これは、手首を伸ばしたり指を伸ばしたりする筋肉が付着している上腕骨の外側上顆周辺(図1)の炎症で、テニスなどラケットを握るスポーツに多く発生することから、別名バックハンドテニス肘(図2)と呼ばれています。原因としては、ハードな練習のやりすぎ、ストロークのフォームの悪さが主なもので、他には、ラケット、ボールの重さやグリップの太さ、ガットの張り具合などが影響します。
《処置》
・肘に痛みを感じたときは、ストロークの練習は休止して、日常生活においても、痛みのある手は使わないようにして、患部の安静に心がける。
・痛みが長く続くようなら、早めに整形外科を受診し、治療する。(どうしても出たい試合があれば、なおさらドクターの協力が必要になる。) |
《予防》
(1)ラケットの条件に注意して、コーチに正しいフォームの指導を受け、しっかりと身につける。
(2)練習前後に、手首を動かす筋肉のストレッチングを十分に行う。
(3)2kg位の重りを用いたリスト・カールを行い、手首を動かす筋肉の筋力トレーニングをする。 |
《鑑別疾患》
フォアハンドテニス肘(肘の内側に痛みがある。サーブの際の手首のスナップが原因。)(図2) |
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