ジャンパー膝

Q32  
 中学に入ってから、バレーボール部に入部し、練習してきましたが、最近膝が痛くなってきました。特にアタックやブロックなどでジャンプした時に痛みが強く、ジャンプが思うようにできません。どうすればよいのでしょうか。

 
A32  
 膝蓋骨(さら)の下端(膝蓋靱帯の起始部図1参照)を押すと痛みがあり、ジャンプの踏切や着地時に痛いことから、俗に「ジャンパー膝」と呼ばれている「膝蓋靱帯炎」と診断できます。

 ジャンプの踏切や着地時には、大腿部前面の大腿四頭筋に多大な力が加わり、膝伸展機構(大腿四頭筋−膝蓋骨−膝蓋靱帯)がこの力の吸収に関係しています。ジャンプ動作が多いと、この膝伸展機構に絶えずストレスが加わり、特に骨と靱帯の移行部で弱い膝蓋骨下端に小さな断裂や炎症が起こります。

 膝蓋靱帯は血流が乏しく、いったん炎症を起こすと治りにくい傾向にありますが、温まると痛みが軽くなるのも特徴です。ジャンプの動作が多いバレーボールやバスケットボール、また陸上(跳躍)、バドミントンなどに多い障害の一つです。


 

《処置》

・痛みが軽いうちに練習量を減らしたり、ジャンプを控えめにする。 (最初は練習後に痛みを感じるだけだが、ひどくなると慢性になり練習ができなくなる)
・練習前後に大腿四頭筋のストレッチングを十分行う。(練習前は、ホットパックなどで膝を温めてから行うと効果的)
・練習後は氷でアイスマッサージを行う。 以上で痛みが治まらなかったり、痛みが強い場合は完全休養とし、ギプス固定や手術により治す場合もあります。

《鑑別疾患》

 オスグッド病、有痛性分裂膝蓋骨

 

 

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