第6話
ケロンパス



めずらしく雪が積もった次の晴れた日に、のび太はお父さんから「ゴロゴロしてばかりいちゃ体に毒だ」と言われた。のび太はコタツにあたりながら、「いやまったく、おとうさまのおしゃるとおりだよ。機械だって動かさないでほっとくとさびつくからね。人間の体も同じように・・・。動かさずにおくと筋肉はだらけるし血のめぐりは悪くなるし・・・・」と呟いている。

ドラえもんからは「ようくわかってんじゃない。どうしてやらないの」と聞かれると、のび太は「つまりその・・・・・なんというか・・・・・ようするにめんどくさいんだ」「なんとか体を動かさずに運動できないかと考えてるとこなんだけど・・・・」と言い出し、ドラえもんに呆れかえられている。

お母さんから「おもてで遊びなさい!」と怒鳴られ、急いでスキーを担いで階段を下りると、足をすべらして階段から転げ落ち、足を挫いてしまった。外に出られなくなったのび太を見て、ドラえもんは四次元ポケットから疲れをうつすこうやく「ケロンパス」を取り出した。

疲れをゆずってもらったケロンパスを貼ると、のび太の体は今、激しく走り回ったあとの疲れと同じ状態になる。ケロンパスを貼ってもらったのび太は「動いたあとの疲れは快いな、もっと疲れを集めてきて」とドラえもんに頼んでいる。ドラえもんは「くだらない仕事だけど、のび太くんを運動不足から救うためには仕方ない」と寒空に出て、スキーから帰ったしずちゃんに疲れをゆずってもらった。ケロンパスを貼ってもらったしずちゃんは「すうと体が軽くなったわ」と言いながら、再度スキーに出かけている。

通りで疲れをゆずってもらっていると瞬く間に、30人分の疲れをもらうことができた。
「ちょっととりすぎではなかろうか」とドラえもんは思ったが、のび太が「なにしてんの早くはってよ。早く早く」とせかすので、ケロンパスを貼るとへとへとになって、のび太は「疲れすぎて立つこともできない」状態になってしまった。

 

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