第5話
男の夢 野球監督



男性の生涯における最大の夢は野球の監督あるいはオーケストラの指揮者になることである。のび太も「ジャイアンズをぶっとばせ」の作品では、憧れの野球監督になっている。

ジャイアンやスネ夫にのび太くんは「野球に向かない」「みんなのためにチームをしりぞいて・・・、女の子とあやとりでもやってろ」と言われ続けている。のび太は「こんなにばかにされてひっこんでいられるか。ぼくは名選手になってみんなをみかえしてやりたい!」とドラえもんに宣言し、野球のうまくなる道具−「エースキャップ」「ガッチリグローブ」「黄金バット」をドラえもんの四次元ポケットから出してもらっている。

のび太はすごい道具でジャイアンズをめためたに負かすため、女子野球チームのメンバー集めをしずちゃんにお願いした。ドラえもんのマンガ史上、最も個性的なメンバーを八人集めてチームを結成し、のび太はプレーヤーと監督を兼ねることになった。

ピッチャーのび太がエースキャップをかぶって、猛スピードのボールを投げると、キャッチャーの女の子からミットを投げつけられ「わたしにぶつけようとしたねっ」と言われる始末。ガッチリグローブをはめて、外野フライまでとってしまうと、女の子から総スカンを食って「こんごいっさいボールに手を出しません」と言われ、一回で13点も取られてしまった。

攻撃において、「黄金バット」でヒット性のゴロを打っても、「見て見て、すごい当たり」と喜んで一塁へ走ることを忘れたり、あるいは間違って三塁の方向へ走ってしまう。走るのが遅いので、のび太が思わず「滑りこめ」と怒鳴ると、「そんな、お洋服よごしたらおかあさまにしかられるのよ・・・・。ひどいわ・・・」と言って泣き出す始末。 

最も個性的な女の子からは「なんだよさっきからのたいどは!」といって首筋を掴まれ、またそれに輪をかけたような女の子からは「ヒステリーみたいにきゃんきゃんどなりちらして!」と訴えられている。のび太は女の子からも「ぼくは監督にはむかないから」と言われ、ドラえもんに「ひとりであやとりでもしろといわれたの。かわいそうに」と言って慰められながら、話は終わっている。

 

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