(1)プログラムづくり 県民のスポーツ参加を促す機会づくり

 

ア. 参加機会の拡充
イ. スポーツへの多様なかかわりの促進
ウ. スポーツ医・科学の活用
エ. スポーツ振興の総合的な取り組み、施策の評価

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ア.参加機会の拡充

 参加機会の拡充は、スポーツの普及・振興の重要な要素です。

 これまで、県・市町村はじめ、スポーツ団体では、それぞれの目的や役割などに応じ、国際的、全国的レベルから県、地域レベルに至るまでの様々なスポーツ大会やイベント、スポーツ教室、セミナーなどを開催しています。また、全国大会などへの参加支援や国際交流の推進などに努め、スポーツ人口の増大、競技力の向上はもとより、本県のスポーツ文化の創造にも大きく寄与しています。

 ことに、2000年国体は、本県スポーツ界のみならず、県民の総力を結集した一大イベントとして大成功を収め、本県スポーツはこれまでにない飛躍を遂げています。

 このような成果を踏まえ、県民のスポーツ活動を一層促進するため、県民誰もが、それぞれの目的や能力、好みに応じて主体的に参加できる多様な機会の提供が求められています。

  
1 スポーツ大会・イベントの開催
 県民の参加を促進するスポーツ大会・イベントの充実

 県民が、主体的に参加できるスポーツ大会やイベントは、参加者が共通のルールのもとに、普段の練習の成果を発表したり、交流を育むことができるなど、大きな意義を有しています。

 また、チャンピオンスポーツでは、持てる力を最大限に発揮する中で、成長を遂げる大きなステップとなるものであり、競技力向上に大いに資するものです。

○県民体育大会などの充実
 県では、関係団体などと協力し、県民体育大会、県民スポーツ・レクリエーション祭、県駅伝競走大会を開催しています。

 これらの大会は、本県の代表的なスポーツ行事として県民の幅広い層に定着していることから、県民の要望や大会の目的、性格などを踏まえ、内容の充実を図り、今後も継続して開催します。

 

○スポーツ大会・イベントの開催促進
 市町村に対し、地域住民のスポーツ活動に密着した大会やイベントの開催・充実を促すとともに、競技団体に対しては、競技の普及や競技力の向上を適切に図ることができるよう、計画的な開催を促進します。


全国的、国際的スポーツ大会・イベントの誘致開催
 
全国トップレベルの大会や国際大会、プロスポーツなどのビッグイベントの開催は、スポーツへの興味や関心を高め、本県スポーツの振興に資するとともに、青少年に夢や憧れを与えるなど、大きな意義を有しています。また、スポーツの文化的価値を高めるとともに、県民の生活の質の向上にも寄与します。

 本県では、プロ野球やJリーグ公式戦をはじめ、ハンドボールやバドミントン、バレーボール、バスケットボール、ホッケーなどの我が国トップリーグの大会が盛んに開催されています。また、2000年国体が大成功を収めたところです。

○全国的、国際的スポーツ大会・イベントの開催促進
 2000年国体を機に充実したスポーツ施設を生かし、全国的、国際的スポーツ大会・イベントなどの誘致開催を積極的に推進し、支援します。

2 スポーツ教室・セミナーの充実
 
スポーツ教室やセミナーは、スポーツの潜在的ニーズを掘り起こし、スポーツを始めるきっかけをつくる活動として大変重要な役割を果たしています。

 また、地域住民の健康の保持増進や相互の交流に果たす意義も大きいことから、県・市町村スポーツ施設を中心に、様々な教室やセミナーが開催されています。

○スポーツ教室・セミナーの開催促進
 市町村やスポーツ施設、スポーツ団体などに対し、スポーツ教室やセミナーなどの開催を促します。また、将来のクラブ化への移行を踏まえ、障害者を含む誰もが継続して参加できるプログラムや幼児から高齢者までの世代交流が可能なプログラムなどの展開を促進します。

 

○高齢者活動プログラムの作成・普及
 高齢者のスポーツ参加を促進するため、各種スポーツを無理なく楽しむための活動の指針となる、年齢や体力に応じたスポーツプログラムを作成するとともに、普及に努めます。

 

3 全国大会などへの参加の支援

○本県を代表する選手が、全国や世界のひのき舞台で活躍する姿は、県民を勇気づけ、夢と希望、そして誇りを醸成します。

 県民生活の活性化や郷土愛を育むうえにおいても重要な役割を果たしています。

 チャンピオンスポーツやコミュニティスポーツを積極的に推進していく観点からも、県を代表して出場する選手を支援します。

4 スポーツを通じた国際交流の促進
 国際化の進展に伴い、社会の様々な分野で交流が積極的に行われています。

 とりわけ、世界共通の文化として、言葉の壁を超えて行うことができるスポーツ交流は、友好親善や相互理解の促進に大きな意義を有しています。ことに、青少年のスポーツ交流は、21世紀のグローバルな社会の中で、国際人として生きていく資質を高めるうえで、極めて重要となっています。

【本県のスポーツ交流の状況】
 現在、県では、中国遼寧省、韓国江原道、ロシア沿海地方との友好提携のもとに、環日本海インターハイを持ち回りで開催しています。

 また、スポーツ少年団のロシア沿海地方とのスポーツ交流や日独同時交流を支援しています。

 さらに、中国遼寧省の高校生と指導者の受け入れのほか、世界数カ国の優秀な指導者を国際交流員として受け入れています。

 一方、競技団体では、国体に向け、選手強化を目的とした海外遠征に活発に取り組んできました。このような中で、お互いのチームが訪問しあう関係も生まれてきています。

【今後のスポーツ交流の取り組み】
○環日本海インターハイ交流の継続
 環日本海インターハイは、本県とこれらの諸国とのスポーツ交流の核となる大会であるとともに、スポーツ以外の分野にも好影響を及ぼしています。
 このことを踏まえ、より有意義な交流となるよう、関係国と意見を交わしながら、事業継続に努めます。

 

○スポーツ少年団交流の支援
  青少年のスポーツ交流の意義を踏まえ、スポーツ少年団のロシア沿海地方との交流及び日独同時交流を引き続き支援します。

 

○国際交流員の受け入れ継続と韓国体育大学校との交流の充実
 
本県競技力の向上のみならず指導者の資質の向上にも寄与することから、国際交流員の受け入れを継続します。
 また、韓国体育大学校との指導者、選手の相互交流を推進するとともに、競技団体などの主体的、草の根的交流を促進します。

 

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イ.スポーツへの多様なかかわりの促進

1 スポーツ大会・イベントの開催
 県民のスポーツへの取り組み方が多様化・個性化する中で、「するスポーツ」の他に、大会やイベントの運営などにスポーツボランティアとして関わることで、生きがい、満足感を味わいたいとする人々が増えています。

 また、全国大会や国際大会、プロスポーツイベントなどの開催では、スポーツボランティアの存在は、今や不可欠となっています。

 スポーツを通じた社会参加の一形態として、積極的に推進していくことが求められています。

○スポーツボランティア登録制度と活用システムの整備
  スポーツボランティア活動を奨励するため、登録制度を整備するとともに、大会やイベントなどの主催団体と連携を図り、ボランティア参加機会の拡大に努めます。

 また、インターネットを通じた情報提供と活用システムを整備します。
 
  ボランティア休暇制度など、県民が積極的に参加しやすい環境整備のあり方について、今後、検討します。

◎スポーツボランティア登録・活用システム概念図

2 企業チームと地域との連携の促進
 
企業チームは、多くのオリンピック選手や日本代表選手を輩出するなど、我が国のチャンピオンスポーツの中核的存在として活動しています。

 社会や経済の変化、景気の低迷などにより、一部チームが休・廃部していますが、本県では、国体後の競技力の維持強化はもとより、育成されたジュニアの活躍の場としても不可欠な存在です。

 また、2000年とやま国体を機に、企業チームに対する地域の愛着と期待は、一層大きくなっています。

○企業チームに対する支援
 企業チームの存続と活性化に向け、企業チーム、その所在市町村、競技団体などが常に話しあえる場をもつなど相互の連携を強化するとともに、本県スポーツ振興に果たす役割の大きさを踏まえ、競技活動を支援します。

 

○クラブチーム化に対する支援 
 地域の幅広い支援の輪に支えられた競技志向型クラブチームへの転換を図ろうとする企業チームに対し、その取り組みを支援するとともに、今後、育成が期待される総合型地域スポーツクラブとの連携を促進します。

 なお、企業においては、企業メセナの観点から、自社のスポーツ施設を総合型地域スポーツクラブや競技団体の活動拠点として開放することや、指導者・選手が地域のジュニア育成に関わることなど、地域のスポーツ振興に積極的に取り組まれるよう期待します。

 

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ウ.スポーツ医・科学の活用

1 医・科学トレーニングの推進
 全国や世界のひのき舞台で活躍できる選手の育成はもとより、県民が、生涯にわたる各ライフステージにおいて、健康で安全にスポーツに親しむためには、スポーツ施設において、スポーツ医・科学の研究成果を取り入れた科学的トレーニングが行えることや、スポーツドクターなどと連携した健康・体力相談が受けられることが必要です。

○医・科学機能の充実 
 本県選手の競技力を合理的・効率的に高めるとともに、大会などにおいて日ごろ培った能力を十分に発揮できるようにするため、本県競技力向上の中核施設である県総合体育センターのスポーツ医・科学に関する調査・研究並びにトレーニング指導・実践機能を充実します。

 

○医・科学トレーニングの推進 
 スポーツドクターや専門研究者との連携を強化し、最新の研究成果を取り入れた科学的トレーニング、低酸素トレーニング、高所トレーニング、メンタルトレーニングを積極的に推進します。

 

○健康・体力相談、トレーニング相談の拡充 
 県民のスポーツ活動を充実するため、県総合体育センター、県西部体育センターで行われている健康・体力相談、トレーニング相談などの拡充に努めます。

 

○ 市町村スポーツ施設に対する情報提供の充実 
 市町村の拠点スポーツ施設においても、今後、スポーツ医・科学トレーニングや健康・体力相談機能の充実が必要と考えられることから、県総合体育センターを通じた情報提供、指導・助言の充実に努めます。

 

○系統的・総合的推進体制の整備
 県総合体育センターは、スポーツ医・科学に関する本県中枢機関として重要な役割を担っています。

 このため、今後設置が予定されている、国のスポーツ科学センター、ナショナルトレーニングセンター、及び県体育協会、県健康スポーツ財団、大学などの専門研究機関、スポーツ施設などと連携し、県総合体育センターを中心とした本県のスポーツ医・科学に関する系統的・総合的推進体制の整備に努めます。

2 スポーツ安全対策の推進
 県民が安心してスポーツに親しむためには、指導者や大会などの運営に携わる人々が、スポーツ障害などの事故防止や事故発生などに対し、適切に対応できることが重要です。

○事故防止などに関する研修の充実
 事故の予防や事故発生時の応急処置、法的責任などに関する研修機会の充実に努めます。

 

○スポーツ傷害保険加入の奨励 
 大会等の開催に際しては、主催団体に対し、大会参加者のスポーツ傷害保険などへの加入が徹底されるよう啓発します。

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エ.スポーツ振興の総合的な取り組み、施策の評価

1 総合的な取り組み

○21世紀の生涯スポーツ社会を実現するためには、行政、スポーツ団体・組織、企業などが相互の連携協力の下に、調和のとれた一体的な取り組みを推進していくことが必要です。

 このため、関係団体や組織・機関、企業及び県民の代表で組織された指導・調整機関の設置を検討します。

 

2 施策の評価

○スポーツ振興施策の中には、評価を行うことが困難なケースも少なくないものの、可能な限り評価の視点を取り入れて推進していくことが必要と考えます。

  このため、基本施策、重点施策について、推進状況が客観的に把握し得る数値目標を設定するとともに、事業実施過程を含めた総合的評価に取り組み、以後の施策の充実に努めます。

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