このため、学校体育・スポーツのあらゆる面でその向上に向けた取組みを充実するとともに、運動好きな児童生徒を育成し、生涯にわたってスポーツに親しんでいく基礎を培っていくことが大切となっています。 一方、少子化にともなう児童生徒の減少により、運動部活動の停滞や休・廃部の増加など、多様なスポーツニーズに対応した運動部活動の展開に様々な影響が生じています。 また、学校週5日制の施行にともない、学校での活動の場がこれまで以上に求められています。 このような状況に適切に対応するには、学校と地域が一体となって児童生徒のスポーツ活動を充実することが必要であり、このため、地域スポーツ活動との積極的な連携を推進します。
教科体育における水泳、武道などの充実や選択制授業の適切な展開、また、運動部活動における専門的・科学的指導の充実のため、それぞれの分野にふさわしい資質と能力を有する地域の優秀な指導者の学校教育への活用を推進し、支援します。 特に、運動部活動においては、企業チームの理解を得て、その指導者や選手に指導を要請するなど、国体を機に充実した人材の導入を積極的に進めます。 なお、教科体育はもとより、運動部活動も重要な教育活動であることを踏まえ、これらの指導に携わる地域の指導者の研修に努めます。
運動部活動において、部員の減少から単独チーム編成が困難となり、活動の停滞や休・廃部が進行しています。 このような状況に対応して、運動部活動を維持し、児童生徒の多様なスポーツ活動の場を確保・充実するため、近隣校などとの連携による合同部活動を推進し、支援します。 また、競技団体、中・高体連などに対し、合同チームの大会参加に向けた体制整備を促します。
児童生徒の多様なスポーツニーズや学校週5日制に対応したスポーツ環境の充実に資するため、今後育成が期待される総合型地域スポーツクラブとの連携を推進し、個人や仲間で、また、運動部単位での積極的な参加を促進します。 このため、市町村に対し、育成組織への学校関係者の参加を働きかけるとともに、学校の主体的な取組みを促します。 《運動部活動と総合型地域スポーツクラブの役割》 しかしながら、生徒の減少に伴い、中学校や高校では、これまで開設してきた運動部活動を現状どおり維持していくことが困難となっているところも少なくありません。 このようなことから、これからの運動部活動については、今後育成される総合型地域スポーツクラブとの連携のもとに、新たな展開を図っていくことが求められています。 具体的には、中学校、高校においては、学校の特色や生徒のスポーツニーズを踏まえ、学校自らが主体的に展開できる運動部活動を充実すること、地域では、総合型地域スポーツクラブを育成していく中で、運動部活動の補完に配慮し、学校で開設できないプログラムを整備することなどが必要と考えます。 また、希望する生徒に対しては、運動部活動、総合型地域スポーツクラブの両方への加入に柔軟に対応できることも必要です。 学校、地域が相俟ってこのような取組みを推進し、生徒が、好みや適性に応じたスポーツに自発的、主体的にスポーツに取り組むことができる環境整備が求められています。
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