今回は水泳で最も大事なストリームラインについてふれたいと思います。
ストリームライン(※1)とは、『流線型』で水の抵抗が少ない水中姿勢です。この姿勢を維持することによって、スムーズにプル(※2)・キック(※3)動作の力を推進力に換えることができます。抵抗は流体の密度や断面積に比例して大きくなり、さらに速度の2乗に比例します。従って、水の抵抗を減らす姿勢を作り、維持することが速く泳ぐための最重要課題と言えます。抵抗を少なくする姿勢を作るためには、体をまっすぐにしなければなりません。体が曲がったり、反ったりすると断面積が大きくなるので抵抗が大きくなります。そこで、体幹のトレーニングでまっすぐな姿勢を意識して作り、キープできるようにしましょう。
最初にまっすぐな姿勢を確認してみましょう。仰向けに寝て、腰の下に手を入れてみてください 。まっすぐにするには、このスペースをなるべく少なくしなければなりません。今度は、 のように膝を曲げて腰の隙間がなくなるように腹筋に力を入れます。この時に骨盤を上に向けて腹筋を締めることを意識してやってください。その状態を維持しながら足を徐々に伸ばしていきます 。この姿勢がまっすぐなラインなので、この状態をキープするための簡単なトレーニングを紹介します。
まず、 のように骨盤を上向きにします。その状態でクランチ(※4)して 、さらに腰を床に押し付けるように3秒間止めます。そして、肩甲骨を床まで下ろします (10回程度)。
次に、ショルダーヒールを紹介します。骨盤を上に向けて腹筋を締めたまま膝から肩のラインがまっすぐになるように腰を上に持ち上げ静止します (10〜60秒)。この時に、骨盤を締めたまま床と平行でぐらつかないようにすることが重要です。
また、エルボートウ で実際のストリームラインをキープするエクササイズ(10〜60秒)ができるようになると、まっすぐな姿勢を水中で無意識にキープしたまま泳げるようになります。お尻が曲がったり 、お腹が落ちてこないように 注意してください。
きれいなストリームラインができるように頑張りましょう!
※注釈 1→手先から足先まで全身をまっすぐに伸ばした姿勢 2→水中での腕のかき 3→水中での足のけり 4→仰向けで膝を立てた状態で行う腹筋運動 |