この状態は、マレットフィンガー(槌指)または野球指と言われるもので、競技者がボールを補ろうとして構えたとき、指を自動的に伸展した位置で、末節関節に突然の屈曲力が加えられて生じます。末節骨の一部が骨折を起こしたり、また伸筋腱が末節の付着部あるいはその近くで断裂し、末節を伸展することができなくなります。末節は通常やや屈曲位となり自動的には伸展できなくなります。これを放置しておくと、永久的に機能障害(DIP
関節伸展傷害)を残すため注意を要する外傷です。(図1参照)
《処置》
・受傷後3
週間以内であればDIP
関節の過伸展位副子固定を6 週間から8
週間行う。除去後に、再び伸展障害が出現する症例には、2
〜3
か月間は夜間のみ副子装置を続ける。(図2参照)
・初期に見逃されて陳旧性になった場合は、腱を使った再建術や、DIP
関節骨性固定などが行われることがあるが、日常生活、スポーツ活動を支障なく行っている場合が多い。これらの手術は、ピアノを弾く、タイプを打つなど職業上どうしても不便を強いられる症例に行われることが多い。 |
《予防》
《鑑別疾患》
・DIP
関節脱臼・・・X線検査にて、確認を行う。整復は容易で固定性もよく、軽度屈曲位にて3週間ほどの固定が必要です。
・末節骨・中節骨々折 |
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