膝蓋骨脱臼

Q31  
 バスケットボールの練習中、ジャンプして着地したところ、膝が横を向いたようになり突然倒れてしまいました。その直後から膝が腫れてきたので、病院に行きました。 そうしたら、膝の中に血液がたまっていると言われました。その後、何回も同じようなことが起こります。靱帯が切れているのでしょうか。(中学女子)

 
A31  
 スポーツ中のケガで膝の靱帯が切れるのは、かなり強い外力が膝にかかった時です。ジャンプで着地したぐらいで膝がずれたとすると、膝の“さら”の骨が脱臼したのかもしれません。ほとんどの場合、“さら”の骨は外側に脱臼し、倒れた直後に自然に元の位置に整復されます(図1参照)

 したがって、よほど気をつけていないかぎり“さら”の骨の脱臼している状態が意識されることはありません。こうした状況になる選手の多くは、もともと関節が柔らかく、膝や肘を伸ばしきるとそりかえるほどにまでなります。これらいくつかの点に思い当たることがあれば、“さら”の骨の脱臼による膝のぐらつきと考えるべきでしょう。


 

 

《処置》

 専門医を受診し、その程度に応じて、適切な治療を受けるべきと考えます。 主に、装具療法、筋力トレーニングが行われますが、ひどい場合には手術も必要となります。

《鑑別疾患》

前十字靱帯損傷
 膝の真ん中を走る前十字靱帯が切れると、膝に血液がたまり、似たようなぐらつきが起こります。普通は第1回目の外傷として、他人と激しくぶつかったとか、強くねじったなどはっきりとした外傷機転がありますが、念のためこの点についても検査してもらいましょう。

 

 

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