足関節捻挫

Q37  
 足首の捻挫で接骨院に通っているのですが、なかなか治りません。また足首の捻挫も癖になっているのですが、何か良い方法はないでしょうか。

 
A37  
 足関節(足首)は図1にあるように、いくつかの骨とそれらをしっかりとつなぐ靱帯とで構成され、身体全体の体重を支えています。足首の大きな動きとしては、つま先をそらせる背屈運動、つま先を伸ばす底屈運動、小さな運動としては足の裏が外側を向く外反運動、内側を向く内反運動があります。足首の捻挫の多くは内反が強く強制されたために起こります。その時に傷害を受けるのが外側側副靱帯(前距腓靱帯と踵腓靱帯)です。この靱帯のいためられ具合によって捻挫の程度が決まります。
 

【第1度】靱帯がいくらか伸ばされた状態
【第2度】靱帯の一部が切れた状態
【第3度】靱帯が完全に切れた状態
【第4度】靱帯付着部近くの骨が骨折をした状態

 足首の捻挫はケガのうちに入らないと軽く見られがちですが、それは間違いです。この方の場合もまず整形外科の専門医を受診し、レントゲン検査(単純撮影、ストレス撮影、関節造影)により靱帯や骨に損傷がないかなどの診断を受 けられることをお勧めします。

 


《処置》

・捻挫をしたら、すぐに応急処置(RICE療法)を24時間以上行って下さい。 

【RICE療法】
R(Rest) 直ちに運動を止めて患部を安静に保つ。
I(Ice) 患部にタオルをかけ氷やアイスパックなどで冷やす。15〜20分程冷やし続け、足に感覚がなくなってきたらいったん冷やすのをやめ、痛みが出てきたらまた冷やす。これを繰り返す。
C(Compression) 弾性包帯などで患部を圧迫するように強めに包帯を巻く。圧迫のし過ぎに注意する。
E(Elevation) 患部を心臓よりも高く上げる。

・翌日も痛みや腫れが強ければ医療機関を受診して検査を受けて下さい。場合によってはギプス固定や手術をしなければならないこともあります。

《予防》

(1)テーピング・・・関節の柔らかい人(関節弛緩症)、捻挫が癖になっている人、捻挫の治療後で足関節に
          不安のある人などは、足首のサポートをすることが大切です。サポートの方法としてはテーピング、
          アンクル・プレース、足関節用サポーターなどがあります。また、なるべくハイカットのシューズを
          履くことも捻挫の予防になります。
(2)筋力強化とストレッチング……足関節の筋力トレーニングと練習前のストレッチングが捻挫の予防に重要です。

 

 

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