第3話
スポーツの秋 アスレチック・ハウス



ゴロゴロして,怠けてばかりいて,体を鍛えようとしないのび太を見て,ドラえもんは秘密道具「アスレチック・ハウス」を四次元ポケットから取り出した.この装置を家に仕掛けておくと,運動せずにはいられなくなり,無理やり運動をすることになります.ドラえもんがこの装置を仕掛けている最中に,のび太は久しぶりに野球をするため外出してしまった.入れ替わり,のび太のママのお客さんが野比家を訪問し,ドラえもんとママと一緒にこの装置を体験することになりました.

この装置にスイッチを入れると,家全体がアスレチック・ハウスになります.例えば,廊下は「ロウカランナー」に,座布団は「トランポリン」になり,強制的に走ったり,跳んだりしなければいけなくなります.階段は一段一段が高くなり,登るのが大変になります.障子は腕の力を鍛えるために簡単に開けなくなります.ドラえもんも家の中の広くなった隙間を飛び越えたり,鉄柱にぶら下がって,苦手な鉄棒をしなければいけなくなります.ママやお客さんははずれた障子を重量挙げ選手のように持ち上げようとしますが,あまりの重さに押しつぶされてしまいます.クタクタに疲れたドラえもんがこの装置のスイッチを切って,やっともとの家に戻すことができました.

疲れ切って,「フニャ」という言葉しかでないでうつ伏せになっているドラえもん,完全にグロッキーで横たわっているママやお客さんの姿を居間で見て,野球から帰ってきた,のび太は「やっぱりスポーツはいいなあ.ゴロゴロしてちゃ体に悪いよ.スポーツの秋ですよ」と逆に諭すのであった.

 

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