生涯スポーツの振興にとって最大の難問は「生活場面における運動の継続」であります.ドラえもんマンガにおいても,のび太のパパとママの会話にそのことが如実に伺われます.
のび太のママ 「健康のために,毎朝ランニングするっていうから,わざわざ,トレーニングパンツや運動ぐつまで買ったのに.使ったのは三回だけ.もったいないわ.」
のび太のパパ 「そういうけどね.なかなかできるもんじゃないよ.雨がふったり,頭がいたかったり・・・.」
のび太のママ 「なんとかかんとかいって,けっきょくめんどくさいんでしょ!」
のび太は自分もそうだけれど,ランニングを続けてほしいな.健康のために.パパが病気になるとくらしにこまるから,とドラえもんに訴えるのであった.
こうした会話に耳を傾けながら,ドラえもんははくと走らずにいられなくなるひみつ道具「ムリヤリトレパ
ン」を差し出した.のび太のパパはムリヤリトレパンをはきながら,「こんなものはいたって,ぼくは走らないからな.ぜったいに!ただ走るだけなんてどんなにつまらないことか」パパがトレパンをはいたとたんに,地震が起こり,表に飛び出しイヌやハチに追いかけ回されることになりました.
ヒーヒーハアハアしながら家へ帰ると,玄関の近くで出刃包丁を持った強盗に追いかけられ,逃げ切ると今度は酔っぱらい運転の車で追いかけられる始末であった.
こんなトレパンなんかといいながら,脱ぎ終わると,やっと走らなくていい状態になった.のび太がこんな
ものをはかせたからこうなったんだと分かると,怒り心頭に達したパパは逃げるのび太を追いかける始末であった.こうした姿を見て,ドラえもんは「トレパンの力はすごいなあ・・・.すてられたのに,まだ二人を走らせる!」と思いました.
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